弁護士コイン(BENGO)&集団訴訟プラットフォームenjinについて現役法律事務員が考察

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弁護士コイン(BENGO)とは

名称:弁護士コイン(Bengoコイン)
仕様:ERC223
販売価格:仮に上場した場合における取引所での自然な価格形成に基づく価格での販売となります。
発行枚数:200億枚

割合(用途):

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・取引所販売委託での販売(120億枚) 60%
・運営(20億枚)10%
・開発(30億枚)15%
└投げ銭機能2%
└被害者対応コストを圧縮するツール開発2%
└セキュリティシステム構築4%
└その他被害者救済に資するシステムの開発 7%
・広報(30億枚)15%
└SNSその他の広告費用 5%
└コンテンツ制作費用 10%
保管:MyEtherWallet(マイイーサウォレット)にて管理可能。
機能:一括投げ銭機能、ロックアップ機能、Burn機能、不正アカウント凍結、MINT機能
利用方法:①被害者への投げ銭、②被害者への「リターン条件付投げ銭」、③弁護士への
投げ銭、④QA回答者への投げ銭、⑤弁護士費用の決済、⑥その他随時拡張予定

 ※公式より引用

 

つまり集団訴訟プラットフォームであるenjin上で支払いや投げ銭として使えるトークンのようだね。

 

enjinとは

enjin-classaction.com

 

事件化したい!けれど少額な案件のため弁護士費用の方が高くついてしまう!

という被害者のための集団訴訟プラットフォーム。

 

運営元 株式会社クラスアクション

代表者 伊澤 文平(東京弁護士会所属)

 

  • 被害者側

自分が受けた被害と同じ被害を受けた人を探すことができる。

また、すでに立ち上がっている案件に参加することができる。

 

  • 弁護士側

数ある案件から受任できそうなものを選ぶことができる。

 

現在募集中の案件

2018年8月現在70件ちょっとの募集が立っている(参加人数0人も含む)

ざっと見ると仮想通貨・ICOの詐欺被害や消費者被害の案件が多いね。

界隈で一番有名かと思われるコインチェックの案件も募集している模様。

 

 

懸念点・疑問点

被害者側

まず前提として法的に筋が通る話なのか

持っている証拠は裁判上で使える証拠なのか。

 

こういったところはあらかじめ弁護士に相談して確認しておいた方がいいだろう。

一般の考え方と法律上の考え方は必ずしも合致しない

ニュースなんかで見る判決で

「え?そんなことあるの?裁判所おかしくない?」って感じることは多々あるはず。

なので事前の確認はしておいた方がいい。

 

enjinはあくまで募集をする場であり

実際の弁護士への相談は募集を見て挙手する弁護士が現れて初めて行われる。

 

募集を出しても弁護士から見て難しそうであればマッチングは難しいだろう。

 

弁護士側

事務員的な感想としてはまず純粋に依頼者の数が多いと処理が大変そうだなーと思ってまった。

委任状とか契約書の取り交わしだけでも一苦労だろう。

 

それと弁護士業界は非常にローテクなんです。

電話・FAX・郵送が主流。

小さい個人事務所なんかだといまだに紙とペンの世界だそう。

このご時世に顧客の管理は”紙に書いて戸棚にしまう”ってやり方のところも多い模様。

ベテランの弁護士ほどその傾向は強いと思う。

 

なので一体どれほどの弁護士がenjinに興味を示して案件に挙手するのだろう。

弁護士と言え万能ではないし専門性や得意不得意がある。

被害者がどれだけ集まってもenjinを通して受任したいという弁護士の数が少ないと難しいだろう。

 

特殊なケースだけでなく日常で起こる問題がもっと解決できるように

弁護士コインからenjinを知った人が多いのかな?

今は仮想通貨やICOの詐欺案件が目立つけど

今後もっと日常的な問題が頻繁に上がってくるようになったらいいな。

 

例えばenjinのコラム内にある労働問題。

成人のほとんどが労働者だしブラック企業大国の日本は残業代未払い等のトラブルが非常に多い。

かなり被害者は多いはず。

 

 

どうしても労働者は弱い立場だからね。

いいようにされても泣き寝入りすることが多い。

皆が泣き寝入りすれば使用者は改善しないからずっと続く。

きちんと訴えを起こすことで日本の労働問題の解決に貢献できると思うよ!

 

まだまだ始まったばかりのenjin。

今まであきらめていた人たちがより多く救われる可能性があるのは素晴らしい事。

今後集団訴訟が一般化して被害者が当然に賠償を受けられるようになるのを願う。

面白い取り組みなので応援してます!

 

enjinの話ばかりになったしまったので弁護士コインについて締めくくる

投げ銭を行う支援者が一体どれくらい出てくるだろうか?

弁護士費用の支払いだけなら正直日本円でいいんじゃないかと思っている。

 

2019年2月末から投げ銭機能が実装らしいので

そこでどれだけ活発に用いられるかが鍵かと思っている。

 

個人的には現在ノーポジです!